2014年8月アーカイブ

スカイプを授業に利用して、ヨルダンでの難民支援のお話を伺いました

 

今年度の「世界動向と国際貢献C」(担当 社会福祉学科 松薗)では、社会開発と国際協力をテーマに、いくつかの国際協力による支援の事例を取り上げ、学生がディスカッションをしながら授業を進めています。これまでに、メキシコでストリートチルドレンの支援活動を行っている大学院卒業生の小松仁美さんや、ケニアで上総掘りを用いて井戸掘りの国際協力をおこなっているInternational Water Projectの大野篤志さんにおいでいただいてお話を伺いました。

 

 6月11日は、シリア支援団体「サダーカ」代表の田村雅文さんに、スカイプを通じて、お話しいただきました。授業の初めにスカイプをつなぎ、「ヨルダンはいま朝の4時です。」とごあいさつ。距離はありますが、音声はとてもクリアで、スライドを示しながら、シリア紛争と難民問題の概要、ヨルダンにおける難民の状況、サダーカが行っている支援活動とその問題についてお話がありました。

 

シリアでは、国内紛争に国際的な様々な要因が複雑に絡み、シリアの人口2000万人の内、国内で600万、国外へ280万人を超える人々が難民となって故郷を離れて逃れています。その中でも、隣国であるヨルダン(人口約600万人)には、10万人以上が生活する難民キャンプのほか、すでに合わせて80万人の難民が入っており、支援も限界にきていること。ヨルダンでのシリア難民の生活について、具体的なお話や子供のこと、これまでに、サダーカが行ってきた、支援の内容の紹介などまさに今起こっていること、私たちが考えるべきこと、できること、できないことの悩みなどのお話がありました。学生は熱心にメモを取っていました。学生にとっては重いけれど、現場からの声を聴くことができた刺激的な時間でした。

 

 お話に続き、質疑応答の時間をとり、学生から直接質問もしました。「署名をすることの意味」「支援をしようとしたきっかけ」「けがの後のリハビリ」等々、田村さんから「なかなか鋭い質問ですね??」とお答えいただく場面もあり、とても有益な授業となりました。今後、様々な現場と教室での授業をつなげる可能性を感じます。

松薗ゼミスカイプを使った授業の様子

「ソーシャルキャピタルとボランティア活動」

ゼミでは「ソーシャルキャピタル」をテーマに様々な形での調査を行っています。ソーシャルキャピタルは経済学、社会学、福祉学等で注目されている概念で、人々のつながりやネットワークを「つながりの力」にしていくことに応用できると考えられています。

ゼミでは、これまでにも、「寺と地域社会」「コンビニと地域社会」等地域社会のつながりをテーマに学生とともに考えています。昨年度は、南部青少年センターでのボランティアを行いながら、「学生のボランティア活動」のアクションリサーチを試みました。ボランティア活動を通じて生み出されるもの、ボランティア活動を進めていくプロセスを検証することが目的です。

今年から、新しいプロジェクトを開始しています。「淑徳大学学生のボランティア活動―学生ボランティアサークルの研究」です。淑徳大学は、学生のボランティア活動が盛んで、学生が自主的に多くのボランティアサークルを作っています。中には30年以上続いているサークルもあります。学生時代にボランティアサークルで活動することを通じて、学生は何を得るのでしょうか?またそれは卒業後どんなふうに活かされるのでしょうか?この問題を、具体的に実証してみようと研究を始めました。まずは、現役の学生、そしてOBへとインタビューを計画しています。問題意識を図式化し仮説枠組みを作り調査計画を策定しました。

すでに、いくつかの団体の現役代表の方には、学生がインタビューのお願いに伺い、ご協力いただいています。6月下旬には、伝統あるボランティアサークルの一つ「ドルフィンズ」を創設されたOBの方のインタビューを行いました。貴重なお話がたくさん聞けたのですが、ボランティアをして得たものは、さまざまな「人との関わり」であったという言葉が印象的でした。

松園ゼミOBの方へのインタービュー