2018年6月アーカイブ

淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授  柏女 霊峰

  522日、相談援助実習指導Ⅱ(90分演習、15)の一環として施設見学が行われました。

この施設見学は毎年この時期に行われているもので、実習の事前学習のためのイメージづくりの意味合いを持たせています。

対象は、配属実習で児童相談所、児童養護施設に行く学生たちです。

柏女ゼミ(「社会福祉専門研究Ⅰ」の学生も同時に参加し、これからのゼミレポート並びにそれに基づく討論に役立ててもらっています。

今年も、千葉県中央児童相談所と児童養護施設房総双葉学園にお伺いし、担当者からのご説明を伺ったうえで施設内を見学させていただき、短い時間でしたが、質疑にも応じていただきました。

千葉県中央児童相談所では、相談措置課長の説明に、皆、真剣に聞き入っていました。

施設内の見学では、一時保護所の子どもたちの多さに児童問題の深刻さを実感しました。

房総双葉学園では、学生時代に私が実習指導を担当した卒業生が説明をしてくれ、児童養護の仕事について熱く語ってくださいました。

 柏女ゼミ相談演習風景2018

写真1 千葉県中央児童相談所会議室で課長の話を聞く学生たち

柏女ゼミ訪問風景2018

写真2 房総双葉学園の正面

 柏女ゼミ訪問2018

写真3 房総双葉学園の中舎

 

実習指導の前期は事前学習が中心です。

配属実習は、夏から秋にかけて3週間実施されます。事前学習は、以下のように進んでいきます。

オリエンテーション、自己紹介ののち、まずは、実習のイメージを作ること、子どもたちへの対応の方法などを学ぶため、ヴィデオ教材やテキストを用いた学習をします。

施設見学も行います。

その後、配属施設種別の概要について、調べ方を教示のうえ図書館などで自己学習を進めます。

その間、ジェノグラムやエコマップなどについて復習し、子どもと関わる具体的スキル等について学びます。

 配属実習機関?施設の概要についてはA43枚程度にまとめ、班別学習を進めます。

児童養護施設や児童相談所の事例について模擬ケースカンファレンスを実施してイメージ

を膨らませます。そのうえで、先輩たちのエピソード記録と個別援助計画を読みながら作

成方法について学びます。実習記録の書き方も大切な学びとなります。

 実習課題の作成も進めます。

体験実習やオリエンテーションを通じて、具体的に配属される施設の概要や体験実習レポートをまとめ、テキストなどを参考にしながら下書きを作成し、添削を行います。

配属実習中の留意事項を学んで前期は終わります。

  事後学習も大切な科目です。

これも15回実施されます。学生たちは、実習で一回り大きく成長します。

配属実習と事前事後学習を統合させつつ、社会福祉士としての道のりを歩み始めます。

しかし、それは、入念な準備に裏打ちされて初めて達成されることを忘れてはならないでしょう。

指導教員は、配属実習体験がこれからのそれぞれの人生にとって大きな糧となることを願いつつ、一人ひとりの実習を応援していくこととなるのです。

今年の学生たちは実習でどのような体験をするのか、今から楽しみにしています。