いつもと違う毎日を健やかに過ごすために:実践心理学科からのメッセージ(1)

みなさん、こんにちは。実践心理学科です。自宅学習が続いていますが、いかがお過ごしですか?

新入生のみなさんも、在学生のみなさんも、いつもとは違う生活に慣れてきたと思う反面、疲れがたまってきたということもあるかもしれません。ちょっと長くなりますが、実践心理学科の先生が、新型コロナのもたらす身体的?心理的影響についてまとめてくださいました(監修:小川 恵先生)。ぜひ読んでみて下さい。

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新型コロナウィルスによって私たちの生活が大きく変わるより前、私たちの毎日のルーチン(毎日の決まった活動、日課)は、知らないうちに私たちに健康な生活を提供していました。

  • 朝、きまった時間に起きて朝食をとること⇒体内時計をリセット
  • 通学、通勤で体を動かすこと⇒腸を動かしてお通じを整え、深い眠りをもたらす
  • 学校生活で頭や体を使うこと⇒適度な疲労をもたらす
  • ほかの人と話すこと⇒自己効力感を高め、孤独を防ぐ (自己効力感:自分が色々なことを問題なくやれる、という感覚)

このように、私たちが日頃なにげなくやっていたことは、生活習慣にリズムを与え、健康で幸福な生活をもたらしていました。

一方、新型コロナウィルスによって、いま私たちの生活は、大きく変化しています。以下のことはみなさんの身に起きていませんか?

  • 家にこもりきりになって動かず、疲労を感じにくくなっている
  • 疲労を感じないので眠気も生じない。夜更かししてさらに朝寝坊になるという悪循環に陥っている
  • 運動不足と情報被ばく(大量の情報にさらされること)によって眠りが一層浅くなっている
  • 甘い、塩辛い、油ものを好むように味覚が変化している
  • 気分を紛らわせるためにお酒を飲んだりゲームをして長時間過ごしている

このように生活習慣が乱れることで、以下のようなストレス反応が生じることがあります。忘れていた、または考えないようにしていた自分自身がかかえている問題や課題に注意が向き、不安になったりつらい気持ちになることも増えているかもしれません。

  1.    身体症状(睡眠障害?胃腸症状?動悸?易疲労感?頭痛?肩こり)、
  2.    自律神経症状(気持ちが落ち着かない?イライラ?せかせか?怒り、抑うつ)
  3.    精神的反応:急性反応(高揚感?離人感?疎隔感、恐怖感?不安?過敏)
  4.    精神的反応:持続的反応(孤独感?無力感?自責感、考えたくないし、話したくない)

ここまでにあげた反応は、この状況下でたくさんの情報にさらされているときには自然なものです。その中で健康であるためには、自分のメンタルの健康さを自分でチェックし、対処するリソース(知識や行動)を積極的に使うことが重要です。

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 実践心理学科は、このブログを通じてコロナ禍と呼ばれるこの状況に向き合います。そして、様々なことが限られた現状で、健やかに暮らすための心理学的な情報提供を行っていきます。短期集中連載という形をとるので、ぜひ目を通してみてください。

 まずは、上に書いたことが自分に当てはまるかを考え、現在の自分を把握することからはじめましょう。