仏教看護論が開講されました

4月10日(火)看護学科の4年生を対象に「仏教看護論」が開講されました。

臨床佛教研究所、ひとさじの会事務局長、浄土宗光照院の副住職である吉水岳彦(よしみず がくげん)先生を講師としてお招きしています。

看護の対象となる人間の「生老病死」する"いのち"に触れる行為の厳かさを感じ、全人的ケアに欠かせない「癒し」や「救い」、「尊厳」の重要性を再確認し、仏教の智慧と慈悲と平等の精神をもって患者に関わることの意味を考える機会をもつことを講義の目的に掲げた「仏教看護論」。

このように書くと、とても難しい講義に感じると思いますが、吉水先生の講義は大変わかりやすく、心に染み入るものがありました。
「スピリチュアルペイン」や「祈り」のもつ力についてなど、日常の中では立ち止まってじっくりと考える機会がない事柄について、事例を織り交ぜながら、学生一人一人が自分の問題として感じ考えられるように講義してくださりました。

学生たちも、実習で出会った患者さんたちのことを思い出したり、自分たちの経験を思い出したりしながら、真剣に講義に参加していました。

仏教看護論授業風景

私たち看護師は人の"いのち"の問題、"生老病死"に関する問題は避けて通れません。
そんな患者さんやご家族の「苦悩」に寄り添う時の基盤となる多くの心の糧を得た奥深い講義でした。

「仏教看護論」は、8回開催される予定です。
講義では、病むことや亡くなっていく過程で体験する「喪失」の意味をじっくりと考えるための「遺書作成ワーク」や「慈悲の瞑想」といった看護師自身のセルフケアのためのワークなども計画されています。

8回の講義が終わった後、学生一人ひとりの心には、それぞれの「あたたかさ」や「奥行きの深さ」、「強さ」などが備わっていることでしょう。そんな学生の成長を楽しみにしています。

吉水先生 ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。