2018年7月アーカイブ

3年前期の必修科目である栄養教育論実習Ⅱの「個別の栄養教育」についてご紹介します。

 

管理栄養士の仕事は、献立作成や栄養価計算だけではなく、食事について悩んでいる方や、食習慣を変える必要がある方へ教育を行うことも大事な仕事の1つなのです。

 

栄養教育論実習Ⅱでは、学習者(対象者)として模擬患者経験者の方にご協力いただき、

「個別の栄養教育」を学習します。

 

 

↑学生手作りの教材をお見せしながら、栄養教育を行っています。

 

 

 

↑みんなに見学されながらの独り舞台!ドキドキ。

 

栄養教育は、〝栄養の専門家″として学習者に正しい情報を伝えることが大原則となります。そのため、日々の授業や自己学習がとても大切になるのです。

 

この実習では「カウンセリングの技法」を使いながら、学習者の知識や意欲といった準備状況に合わせながら進めていきます。

学習者とよい関係を築くためには、座る位置?目線?傾聴など…たくさんの技法があります。

「個別の栄養教育」を学習するためには友達同士で練習をすることも大切ですが、模擬患者経験者の方に協力いただいて実践をすることは、将来管理栄養士として働くうえで、とても貴重な体験になるでしょう。

“しあわせの王様”とは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難しい病の中にいらしても、常に前向きに様々な事柄に挑戦し続けていらっしゃる舩後靖彦さんのことです。

病苦さえ 運命(さだめ)がくれたゲームだと 思える我は 「しあわせの王」

舩後さんの著書「しあわせの王様~全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦」からの一文です。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、体中の筋肉が徐々に弱っていく神経の病気です。この病気は、手足が動かなくなり、食べることも、話すことも思うようにできなくなっていまします。

 

625日 老年看護援助論Ⅱの授業の一環として、舩後靖彦さんに講義をしていただきました。

 

舩後さんは、自らが行う講義を「能業」と表現されます。

受動的に受ける授業でなく、あくまでも能動的に、自分の頭や心を自分で動かしながら聞く授業という意味です。

 

講義は、このようにスライドとコンピューターによる意思伝達装置「伝の心」を用いて行われました。

 

 

テーマは

「人間の価値とは -障がい者の価値はここにある」

 

舩後さんは、宝石商としてお仕事をされていた42歳の時にALSを発症されました。

 

その時から今日に至るまでの、出来事やその時々の思いを語っていただきました。

 

そのお言葉、一つ一つにはとても重みがあり、将来、看護者として生きていく私たちには忘れられない日となりました。

 

◎人の価値は生産性だけで決まるものではない。空間?時間?存在を考察することによって測られること

◎いのちとは、人に感動を与えるもの。いのちが生むものは感動であること

◎生きているだけで価値がある。人はどんな姿になっても楽しむことができること

◎看護者による潜在的な障がい者への差別的な対応があったこと

看護者として、人として生きていくにあたり、とても大切な事柄を教えていただきました。

 

学生のリアクションペーパーからは

〇これまでALSの病態やそのケアについてはたくさん学んできたが、ALS患者さんの思いについてここまで深く考えたことはなかった。「自分が当事者だったら」ということを考えて接する人とそうでない人では患者さんに対する接し方が違うと思った。ALSと宣告された人でないと完全に理解することは難しいかもしれないが、その想いをわかろうとする、想像しようとする人でありたいと思う。

 

〇人間はどんな姿になっても、人生を楽しむことができるという言葉がとても印象に残った。その言葉を実現できるような介護や看護を実践していきたいと強く思った。

 

〇援助者は、コミュニケーションが困難ということを障壁とせず、相手の意思を察して、その意思に基づいて看護が行われるべきだと思った。

 

などのたくさんの学びや感想が書かれていました。

 

 

舩後さんから、看護者として生きていくにあたり、大切な事をたくさん教えていただきました。そして、たくさんの勇気もいただきました。

 

こんにちは。

実験実習を覗いてみようシリーズも5回目です。

今回は3年前期に行う給食経営管理論実習についてご紹介します?

 

みなさんは給食と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?

私は、毎日の給食が大好きで今でも同級生と、このメニュー美味しかったよね、と

会話になるほどの大切な思い出の1つです。

 

給食経営管理論実習は、誰もが一度は食べたことのある給食を120食作る実習です。

給食を作るといっても、クラス全員で一丸となって献立作成や調理作業計画から始まりますので、管理栄養士としての知識?技術はもちろん、チームワークやコミュニケーションも必要となります。

 

では、今回の実習班のメニューを見てみましょう。

 

?今日のメニュー~?

●うなぎちらし

●鶏の竜田揚げ

●お吸い物

●レモンゼリー

 

今回は、行事食を担当する班でした。

『土用の丑の日』を取り上げてそれにちなんだウナギを使用したメニューを考案したようですね。私も美味しくいただきました?彩りもよく、竜田揚げはカラッと揚がっていて、レモンゼリーは夏らしいさわやかな味でした。

 

このメニューが出来上がるまでの厨房の様子を見てみましょう?

 

↑主に加熱調理を行う厨房です。計画に沿って分担作業をしています。

 

 給食実習室は、調味料を計量する部屋、野菜を切るなどの下処理をする部屋、揚げ物や炒め物をする加熱室に分けられています。食中毒発生や異物混入を防ぐために、白衣?マスク?帽子を身に着けることがこの厨房内でのルールです。

 

 

↑1人分ずつ盛り付けています。大量の食材と大きな器具を扱うので体力勝負!

 

↑お客様へ提供している様子です。出来立てを美味しく召し上がっていただけますように。

 

授業内では、リーフレットも学生が作成してお客様に配布しています。

考案したメニュー、使用している食材の紹介や、ちょっとした豆知識など


3年間で学んだ知識をお客様へご披露することができるチャンスの場でもあります。

管理栄養士として働くためには、旬の食材や日本の行事の知識も必要不可欠なのです!

↑学生が作成したリーフレット