栄養学科の実験実習を覗いてみよう『臨床栄養学実習Ⅰ~流動食?分粥食の調理~』

淑徳大学の後期授業が始まって一か月ちょっと立ちました。段々秋も深まっていく中、淑徳の学生もより一層、勉強に励んでいます。

 

先日行われた臨床栄養学実習Ⅰで、栄養学科2年生は初めて病院食の調理を経験しました。

臨床栄養学実習Ⅰは病院で患者さんが食べる食事について学ぶ授業です。病院食は、病気によって栄養素の制限があるのでそれに対応した献立を立てたり、料理の形態を患者さんが食べやすいようにしたりする必要があります。

今回は咀嚼や嚥下が難しい方へ提供する、流動食や分粥食の調理を行いました。

流動食や分粥食の調理では基本的に、食材を小さくしたり、柔らかく煮込んだりします。ポタージュスープやお粥、ハンバーグなどを想像するとわかりやすいと思います。でも野菜などの食材によっては、小さくしても口の中や食道に張り付いてしまい、逆に別の病気の原因になることもあります。また、柔らかく煮込むときでも、ただ柔らかくすればいいのではなく、その人の食べる力によって柔らかさを変える必要があるので、なかなか難しいのです。

 

授業の説明を先生から聞いた後は、さっそく調理に入ります。この授業はグループワークで行われるので、班員が協力して調理を進めます。

  

調理作業が出来る場所や、使える道具は限られているので、手順を考え、手際よく進めていきます。

  

今回の実習では胃腸が特に弱っているときの流動食、舌や歯ぐきでつぶせる硬さの五分粥食、五分粥食より更に柔らかい三分粥食を作りました。

  

こちらは五分粥食です。

写真下段の左がおもゆとお粥が半分ずつ入った五分粥、右がとろろ汁です。

写真上段の右が主菜のささみとかぶの煮物で、左が白菜のおひたしです。おひたしは白菜の葉先だけを使ってやわらかく茹でています。

煮物も食べやすい工夫がされています。ささみは一度蒸して、ほぐしてから煮込んでいます。また、おいしそうに見えるように、にんじんを薄めに切ってから花型に抜いて、きれいに盛り付けられています。

 

作ったものは試食をして、流動食、三分粥食、五分粥食の違いを確認します。

  

試食のあとは、今回の実習について感想や、学んだことの発表です。

柔らかさがわからなくて難しかった、きれいに盛り付けをしておいしそうに見せなければならないと思ったなど、気が付いたことや学んだことがたくさんありました。

 

2年生は今まで、管理栄養士になるための基本的な知識を身に付ける授業が殆どでしたが、これからはより専門的で実践的な内容の授業が多くなっていきます。

臨床栄養学実習Ⅰでも糖尿病や腎臓病など疾患ごとの病院食について学んでいきます。

 

自分が目標とする、すてきな管理栄養士を目指して、これからも頑張っていきます!