小児の成長発達演習を実施しました

11月4日(月)

昨年度に引き続き、今年も23組のお子さんと親御さんにご協力をいただき、小児の成長発達演習を実施しました。

 

大学などの教育機関では、身体計測の演習をリアルなお人形を用いて行っていることが多いのですが、その場合、相手が人形であるため、黙々と人形の身体計測をするだけの演習になりがちでした。

人形に名前を付けさせてみたり、赤ちゃんの泣き声を聞かせたり、様々な工夫をしていましたが、どうしても実際の小児を対象とした身体計測のむつかしさが体感できる演習の環境を作り上げることができませんでした。

 

これから臨地実習に出る学生のためにも、実際のお子さんたちはどのような反応をするのか、実際の発達レベルを肌で感じてもらいたいと考え、乳幼児期のお子さんを育てるご家族に声をかけさせていただいたところ、たくさんのご家族から協力が得られ、このような演習を行うことができました。

 

今回は、学生3人~5人で1組のご家族を担当させていただきました。お子さんの年齢は生後7か月から6歳と幅広くご参加いただきました。

1か月ほど前から成長や発達の勉強を積み重ね、身体計測(体重?身長?頭囲?胸囲)とデンバーⅡを用いて発達や日常生活のお話を聴かせていただきました。

 

「はじめまして」のご挨拶から、はじまった今回の演習???

人見知りで泣き出してしまうお子さん、最初からどんどんお話をしてくれるお子さん???

そこはそれぞれの発達段階や個性であふれていました。

好きなアニメのお話をしてみたり、おもちゃを用いてみたり???どうやって仲良くなろうか学生の試行錯誤が始まります。

 

体重を測定しようと思っても、体重計からすぐに降りてしまうお子さん、途中で泣き出してしまうお子さん???

そのような中、どのようにお父様、お母様に協力を仰ぎ、お子さんのストレスを最小限にして測定するか???

おもちゃを使ってみようか?それともお母さんに一度抱っこしていただくか???

いや、これだけ泣いてしまったら、もうこのままスピーディに測定してあげちゃった方がストレスが少ないのではないか???

学生は「この子のために、どのように計測すれば、ストレスを最小限にすることができるか

を最優先事項として一生懸命考え、ご家族に関わることができました。

また、デンバーの発達検査でも、眠くて機嫌が悪く、いつものようにはやってくれなかったり、4,5人の学生に取り巻かれて、恥ずかしがって、口を閉ざしてしまったり、子どもに検査をやらせてもらうことの難しさを実感したことそのものが、本当のお子様に触れてはじめてわかり、大きな収穫になったと思います。

 

どうしても技術が未熟で、たくさんの涙を流させてしまったこともあったと思います。

 

今回受け持たせていただいた親子から教えていただいたことを胸に、これから学内での演習の振り返りなど、机上の勉強を積み重ね、また一回り大きくなって臨床に羽ばたいてくれることと思います。

学生共々、ご協力いただきましたすべての皆様に心から感謝申し上げます。