老年看護学実習Ⅰにおける実習目的と遠隔授業ー大乗仏教の理念と"いのち"への向き合い方ー

本学部2年生の老年看護学実習Ⅰは、本来ならば介護予防教室への参加、人生史について高齢者へのインタビュー、昔の遊びやグランドゴルフの体験を実施する予定でしたが、澳门金沙城中心|游戏官网-【唯一授权牌照】感染症に配慮して遠隔実習を行っています。

 

本学部の老年看護学実習Ⅰの実習目的は、「高齢者の加齢による変化やその変化にあわせた生活の多様性について理解し、高齢者が住み慣れた地域で、より良く生きるための課題について考える」ことです。

その目的を達成するための目標のひとつとして「高齢者との関わりに欠かせない祈りやいのちについて理解を深める」ことを設定していますが、これは本学ならではの特徴的な実習目標だと思います。



祈りと看護のつながりは、イメージしにくくありませんか?

 

本学の建学の精神は、大乗仏教の精神に基づき、人間開発、社会開発に貢献する人材育成です。

看護学は特に生老病死、いずれのステージでも対象者の“いのち”に向き合う仕事であるため、現代科学の知見を学びスキルを磨いていきます。

それと同時に、老いに対する悲哀、病と向き合っている対象の痛みや悩み、死にゆく不安や恐れなどは科学的なことだけでは十分に対応ができません。本学の大乗仏教の理念は“いのち”に向きあう上で大切だと考えています。

 

特別養護老人ホームである淑徳共生園では最上階にお堂があり観音様をお迎えして週に一度、各宗派の僧侶にボランティアでお勤めと講話をお願いしています。高齢者の参加は任意ですが多くの方に好評で、それだけ心の平安、よりどころを求めていることがわかります。

 

6月12日(金)は92人の学生とGoogle meetをつなぎ、本学の理事長であり、大巌寺住職の長谷川匡俊先生の勤行と、淑徳大学と大巌寺について、および音楽法要についてご講話いただいたものを、事前に録画した動画視聴してもらいました。また、お二人の檀家さんに祈りやいのちについて語っていただいたお話の録画動画を視聴してもらいました。

 

実習の学びでは、spiritual careは科学的な知識と技術だけでは不十分であること、“いのち”に向き合う大切さ、先祖から自分へのつながる“いのち”の連鎖、高齢者の尊重、音楽法要の回向文から他者へ向ける視点が看護につながること、等の意見があり、高齢者との関わりに欠かせない“祈り”や“いのち”について学びが深まったようです。