栄養学科 卒業研究を覗いてみよう!~食物繊維が健康に及ぼす効果を調べよう~

みなさんこんにちは!

季節は9月に入り、夏から秋へと季節が変わり始めようとしていますね。
夏休みはいかがでしたでしょうか?
きっと、勉強や部活、進路に向かって様々な活動に励まれたかと思います。

さて、本大学も、いよいよ後学期が始まろうとしています。
栄養学科を覗いてみよう企画として、今回は通年で行われている4年生の卒業研究にお邪魔しました。

卒業研究では、3年生までに授業や臨地実習で身に着けた知識やスキルをもとに、配属となった各研究室で担当教員と一緒に研究テーマに取り組みます。

その中で今回は、主に生化学や分子栄養学などを担当されている土谷 庸(つちや よう)先生の研究室をご紹介します!

研究内容については、土谷先生が以下にわかりやすく説明をしてくださいました。
〈筆者は文章の途中でコメントを加えています。〉

 

私の研究室では、食物繊維が健康に及ぼす効果を調べる実験をしています。
お通じが良くなることで知られる食物繊維。
私たちはリンゴやかんきつ類に含まれるペクチン、ヤマイモやゴボウに含まれるイヌリンに注目し、その性質や役割について調べる研究を行っています。今回はその内容の一部を紹介します。

まず食物繊維の性質を調べます。
食物繊維を含む液体は粘性(粘り気)が高いと言われているので、実際に食物繊維成分であるペクチンやイヌリンが入った溶液の粘性を測定する実験を行います。下の写真のようなガラス器具(オストワルド粘度計)に液体を入れ、粘性を測定していきます。

下の写真は粘性測定の様子です。37℃に温めた状態で、ガラス管内を流下する時間をストップウオッチ片手に測定することで、粘性測定できます。粘性の高い液体ほどドロッとなるので、ガラス管を流下するスピードが遅くなります。

〈土谷先生、学生共にとても集中して測定をしていますね…!撮影で参加していた私にも緊張が走りました!〉

次に、食物繊維が消化酵素のはたらきに及ぼす効果を調べます。今回は、食物繊維を加えることで糖の分解酵素の働きがどのように変わるのかを測定しました。

試験管に必要な溶液や試薬を入れ、恒温槽で消化酵素の反応を進めていきます。

〈学生は、マイクロピペットを久しぶりに手に取り緊張している様子でしたが、慣れてきたらとても上手に操作していました!〉

糖の消化分解によって生じたブドウ糖の濃度を測定します。測定値はホワイトボードに記録し、値をもとに、食物繊維が消化酵素の働きに影響を及ぼしているかを後ほど分析していきます。

私たちが普段食べている食品成分や栄養素の役割について、授業や参考書で調べるだけではなく、実験を通して理解していくという面白さがあります。食と健康増進のつながりを明らかにしていけるよう、今後も研究を続けていきたいです。


土谷先生、ありがとうございました!

今回お邪魔させていただき、先生と学生で積極的にコミュニケーションをとっているのが大変印象的でした。

先生と学生で、テーマに沿って様々なことを検討していくのは貴重な経験です。

そして、卒業研究を通して得た考察力やスキルを、大学卒業後の社会人生活でも大いに発揮してほしいです。